Vol.150「元気なうちに3Rでお片付け~使わないモノ、そろそろ手放すべき?~」 石塚 祐江


「元気なうちに3Rでお片付け~使わないモノ、そろそろ手放すべき?~」

石塚 祐江(特定非営利活動法人 環境り・ふれんず)

 

 

 

 『元気なうちに3Rでお片付け~使わないモノ、そろそろ手放すべき?~』は、市民・事業者・札幌市で構成するごみ減量実践活動ネットワーク(愛称:さっぽろスリムネット)が今年の7月に開催したセミナーのタイトルです。私は、このさっぽろスリムネットの副委員長をしており、セミナー(3回開催)の講師を致しました。
 ここ数年、断捨離・終活・生前(遺品)整理など家の片付けの関心は、益々高くなってきています。また、家を処分する際は残置物と云われる中のモノを片付けないと、家を売る・貸す・解体する、ができず、家の片付けは「廃棄物処理」に大きく関係しています。
 このため、元気なうちに徐々に家の中のモノを減らしていく「元気なうちにお片付け」が大切ですが、今回、さっぽろスリムネットでは、「元気なうちにお片付け」に『3Rで』を入れることで、単なるお片づけセミナーでなく、ごみ減量を強調しました。すると、コロナ禍にもかかわらず大盛況で、この分野におけるごみ減量啓発に大きな手ごたえを感じたところです。
 さて、「元気なうち」とは、体力・判断力のある健康寿命(厚生労働省HPより、男性72歳、女性74歳)を指しています。家の片付けは、先延ばしするほど労力と費用がかかり本人も周りの負担も大きくなります。
 「3Rでお片付け」は、不用になったモノはできるだけリユース・リサイクルすることで、ごみとならないようにしましょうという呼びかけに加え、そもそもモノを家に入れる前によく考えましょうというリデュースの視点も大切にしています。「モノを捨てるのではなく手放す、人に譲る、資源に出す。」、「日ごろの買い物から廃棄する過程の中でお片付けができ、ごみが減らせる。」という考えに変えるだけです。
 今回はセミナー参加者に、「お片づけが苦手な人から、モノを手放すのが苦手な人、分け方・捨て方が分からない人」等のタイプ分類や、「どうして苦手なのか?どうしてモノが増えるのか?」の自己分析チェックを行いました。また、札幌市の「ごみ分別ガイド」の見方を丁寧に説明しただけで、モノを手放すハードルが下がったようです。
 お片づけはモノを家に入れた時から始まり、「3R」でなるべく廃棄しないよう心がけましょうと、素朴な内容でしたが、参加者は暮らしのヒントになったようです。
 「暮らしを変えると社会が変わる」という言葉通り、3Rは暮らしや社会を変える一歩だと実感したセミナーでした。



 

*ごみ減量実践活動ネットワーク(さっぽろスリムネット):
https://www.city.sapporo.jp/seiso/slimnet/index2.html

 

石塚 祐江

【プロフィール】

石塚 祐江

(特定非営利活動法人 環境り・ふれんず 代表理事)
1987年より牛乳パックのリサイクル運動をきっかけに、ごみ減量・リサイクル活動に取り組む。現在、札幌市のリサイクルプラザ宮の沢(指定管理者)の管理運営や、様々な世代が交流できる拠点「ECOカフェマイカップ」を運営。また、日用品や学生服・着物等のリユースによる収益の一部を被災地やコロナ医療従事者へ寄付し、地域内で環境と福祉を連携し持続可能な循環型社会「まちづくり」を目指している。 
*3R・低炭素社会検定の北海道パートナー、
*北海道容器包装の簡素化を進める連絡会 代表世話人

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