Vol.138「ピンチはチャンスだ!― 3R・低炭素社会検定オンライン講習始まる ―」  花嶋 温子

 2020年、新型コロナウィルスが流行したために第13回3R・低炭素社会検定は中止となりました。受験を予定していたみなさまには、大変申し訳なく思っています。

 しかし、大きな災禍のなかでも、新しい暮らしの芽生えを感じることができます。いままで始められなかった3R・低炭素社会検定のオンライン講習を開始することになりました。コロナ禍のために日本中で(世界中で)急激にオンライン会議システムが使える人が増えました。これまで、難しいから使えないのではなく、設備が整っていないから使えないのはなく、単に必要性を感じていなかったから使わなかっただけだったのです。突破口はある日突然に意外なところからやってきます。


 3R・低炭素社会検定についての舞台裏をお話しします。今年の春以降、コロナ禍により全国の大学がオンライン講義を実施せざるを得ない状況となり、すべての教員が動画を作成できるようになりました。無理矢理ですが、全員が動画を作れるようになったので、3R・低炭素社会検定の動画も手分けして作ることが可能になったのです。今回公開するオンライン講習も、それぞれの章を担当する7人の大学教員が、それぞれの大学や自宅で1人で撮ったものを集めたものです。内容はこれまでの検定講習会をベースにしているので充実していますが、録画方法等についてはまだまだ改善の余地はありそうです。


 これまでの検定講習会は全国各地の試験開催地のみでの実施で、日が決まっていて、回数も少なく不便でした。でも新しいオンライン講習ならば、居住地や開催日による制約はなくなります。また、自治体で新たに「一般廃棄物処理基本計画」を担当することになった方にご覧いただくなどといった使い方も考えられます。もちろん、みんなで集まって学ぶという良さは得られませんので、そこを補う方法をさらに考えなければいけないでしょう。


 新型コロナウィルスに立ち向かうなかで、新しい暮らしの可能性が見えてきました。これからも「もっと良く」するために、一緒に知恵を出し合って、持続可能な社会づくりを目指しましょう。


花嶋 温子

【プロフィール】
 花嶋 温子

一般社団法人 持続可能環境センター 理事
大阪産業大学デザイン工学部 准教授

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