Vol.135「小学生とSDGsの出会いの場をどう作るか」 門川 良平


「小学生とSDGsの出会いの場をどう作るか」

門川 良平

 

「そうか!植物や動物は生きているから増えるんだ!」
「わー!異常気象で植物が減っちゃった・・・どうしよう・・・」
「やった!バイオマスカードが出たから植物カードを化石燃料カードの代わりに使える!」

 これらは、昨年から私が実践しているボードゲームを使った小学生からのSDGs学習ワークショップ「Get The Point―ゲット・ザ・ポイントー」のプレイ中に飛び出す、子ども達の言葉です。

 近年急速に拡大しつつあるSDGsワークショップ。
 しかし、どうしても内容が難しく、学生や社会人向けのものは多いのですが、小学生から活用できるものが足りていないという問題意識がありました。

 私自身はベネッセで進研ゼミ小学講座の教材開発に携わった後、小学校教員として教壇に立ち、現在は独立起業している立場です。
 小学生年代の学びに関わってきた人間として、このテーマを小学生に楽しく遊びを通じて学んで欲しいという思いがありました。

 SDGsに限らず、新しい学び(テーマや単元)との「出会い」はとても大切です。
 多くの教員が「導入」に力を入れるのもそのためです。
 導入の授業は、子ども達と新しい学びとの出会いの場であり、教員は立会人。
 今は、SDGsと子ども達との良き出会いを作るべく、活動を進めています。

 活動を進めていて、思わぬ副産物がありました。
 それは、子どもを参加させにきた保護者の方の中に、とても熱心になられる方がいらっしゃるということです。

「夏のイベントとしてやっているので、時間潰し程度の気持ちで参加したのですが、SDGsを初めて知ってとても大切だと感じました。子どもと一緒に自由研究しようと思います。」

 これは、昨夏のイベントに参加いただいた保護者の方からいただいた言葉です。

 こういった反応に触れる中で、学びへの出会いに年代は関係ないなと思いました。
 今は感染症拡大を受けてワークショップ開催は控えていますが、大人向けのワークショップや親子ワークショップも今後拡大させていこうと思っています。

 3R・低炭素社会検定を受検された皆様も、ぜひその知識を子どもたちに伝えるとしたら?ワクワクした気持ちになってもらえるように伝えるとしたら?楽しく取り組んでみようと思えるように伝えるには?そういった視点で考えてみると、普段とちょっと違った言葉や伝え方が湧いてくるかもしれません。

 SDGsをはじめとした、社会課題や取り組むべきテーマと、良い出会い方をできる場が日本中に広がっていくと、世の中は自然と良い方向に向かっていくと思っています。

ワークショップの様子

門川 良平

門川 良平

【プロフィール】
門川 良平

すなばコーポレーション株式会社代表

ベネッセコーポレーションにて進研ゼミ小学講座の教材開発、マーケティングに従事した後、通信制大学にて小学校教員免許を取得。
都内の公立小学校にて教壇に立つ。
その後、出版社にて学習事業のプロデューサーを経て独立。

独自に開発した小学生から学べるSDGsゲームで、ワークショップ型の学びを展開中。
https://www.sdgsgtp.com

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