Vol.93 「個性豊かな持続可能な地域社会が各地に実現することを願って」片山 弘子



「個性豊かな持続可能な地域社会が各地に実現することを願って」

片山 弘子


 3R・低炭素社会検定合格おめでとうございます。
 いま、持続可能な社会を自らの足元に実現したいと願うみなさまと出会えますのは、うれしい限りです。
 皆様に限らず、その願いを抱いている方は世の中に多数いらっしゃることかと思いますし、声を上げてはいなくても、当面の暮らしにお忙しくされつつもこのままではまずいだろうという方。 さてどこからどう手を付けていけばそうなるのか、行き先を心配されている方も多いかと思います。
 そうした中で、3R検定を受けられ、合格された皆様には、実現の方向に、一歩を踏み出されたかけがえのない存在かと思います。


 私たちNPO法人えこびれっじネットGEN=Japan(以下GEN-Japan)も、個性豊かな持続可能な地域社会が各地に実現することを願って、2016年の7月に活動をスタートいたしました。
 GEN,とはグローバルエコビレッジネットワークGlobal Ecovillage Networkの略称で、イギリスのフィンドフォンに拠点を置き、世界各国の持続可能な社会づくりやエコビレッジの活動をネットワークする組織です。
 国連の社会経済理事会の諮問団体として、2015年パリで開催されたCOP21でも、新しい社会づくりのモデル事例となりうる世界60のエコビレッジを紹介しました。
 その一つとして、日本からは鈴鹿市で都市型開放型の地域づくりを展開するアズワンネットワーク鈴鹿コミュニティが紹介されています。


 GEN-Japanのスタートに当たって、私が大事にしておりますのは、技術的なアプローチも、もちろんですが、まず人と社会に焦点を置くということです。
 つまり一人一人がその人らしく、安心できる関係づくりを第一に考えています。
 ありのままのお互いを認め合い、支え合える、人と人の間柄づくりが、持続可能なコミュニティのカギではないかと考えています。
 そのベースがあって、はじめて優れた技術や能力が活かされ、力を発揮しうるからで、もしその人的環境がなければ、十分に生かされないばかりか、解決が遅れるからです。
 人は自然や人とのつながりの中でしか生きられない、そう自覚するお互いから、まずスタートですね。
 そうしたお互いで、力を合わせて、よくなり合っていく。 間違いがあれば、責めたり対立したりしないで、温かく支え合いながら解決していく。
 責め合いのあるところでは、解決のための核心部分が不明瞭になって逆効果です。 力強く支え合う、そのプロセスの中で、互いのつながりが深まり、知恵や力が存分に生かされ、問題の解決がはかられていくのでしょう。
 人の輪もますます自然に広がっていくのではないでしょうか。
 チャレンジングな時代に出会ったお互いで、そのプロセスを生き合う、その醍醐味が、持続可能な社会づくりであろうとかと思っています。


 2016年秋には、環境先進国ドイツから、エクハルト・ハーン博士をお招きし、10月15日奈良県香芝市を皮切りに、福岡市、京都市、鈴鹿市、横浜市、東京都内、および京都大学はじめ6大学で、やさしい社会国際フォーラムを開催しました。
 再生エネルギー100%実現を可能にしうる、ドイツなどの市民の活動と、日本の活動を紹介し、会場からは勇気をもらった、とうとうこんな時代がやってきた、といった声をたくさん頂きました。


 これから、同じ方向に向いてご一緒できますこと、心強いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

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片山 弘子

【プロフィール】
片山 弘子(かたやま ひろこ)

◆GEN代表理事


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