「第9回 ロハスデザイン大賞2014新宿御苑展

活動レポート(東京都世田谷区 山口茂子)

「第9回 ロハスデザイン大賞2014新宿御苑展(2004.5.16-18)」

~森のおもちゃ美術館を楽しむ~


みなさま、こんにちは。
東京在住の山口茂子です。

今回は、第9回ロハスデザイン大賞2014 新宿御苑展を訪れたレポートです。

ロハスデザイン大賞は、ロハスなヒト・モノ・コトを表彰するもので、今年のテーマは「ソーシャル・デザイン」です。ソーシャル・デザインは、社会をよりよく豊かに変えていくモノや仕組みなどのことで、ウェブサイトから登録すれば、だれでも良いと思うソーシャル・デザイン、つまり社会を豊かにする製品や、取り組みをしている人などを推薦したり、投票をしたりするというかたちで参加することができます。

ロハスデザイン大賞 新宿御苑展は、以前にも取材し、ここでご紹介をさせていただいたことがありますが、前回と同様今回も、エコという枠だけには収まらない、多彩で充実した内容で展開されていました。具体的には、資源の大切さ、生物多様性、低炭素住宅、森林の大切さ、そして都会のエコパーク新宿御苑そのものを楽しみながら体験できるという内容になっていましたが、今回は、森林の大切さをシェアすることを目的とした「森のおもちゃ美術館」に的をしぼってご紹介させていただきます。

会場の様子(1)
会場の様子① 会場となっていた芝生広場は親子連れでにぎわっていました。
真っ青な空とおひさまの光がとても気持ちいい。
会場の様子(2)
会場の様子② ナチュラルな木製の屋台と芝生のグリーンが素敵です。

森のおもちゃ美術館は、芝生広場に設置された木製の遊具で子どもたちが自由に遊んだり、工作を楽しんだりしながら、森林の大切さや木の良さを分かち合おうというものです。広場には、この企画の共催となっている「東京おもちゃ美術館」をはじめ、木にこだわる企業や団体が持ち込んだ遊具が所狭しと並べられて、どこから見てよいか目移りしてしまいました。さらに、木を使った工作の楽しさを伝えるワークショップも多数企画されており、参加している人が、夢中になって木製品にヤスリをかける姿も見られました。おとなも子どもも一日中、目いっぱい楽しめます。

東京おもちゃ美術館は、以前、3R・低炭素社会検定のイベントで訪問させていただいたこともある、木のおもちゃを中心とした美術館ですが、おもちゃを通じて、幅広い世代に豊かさを伝えようとエネルギッシュに活動されている素晴らしい団体です。

せっかくなので木製の遊具をいくつか紹介します。下の写真(左)は壁にとりつけた取っ手をつかみながら落ちないように壁をぐるぐると回るものです。高さは、子どもの背丈より少し高いくらいでしょうか。クライミング(ボルダリング)と呼ばれるスポーツがありますが、それのミニ版のようなイメージです。木の質感にカラフルな取っ手が、見た目にも美しい遊具です。

下の写真(右)は、ジャングルジムのような木枠を昇って遊ぶ遊具です。最近は、一心不乱に電子ゲームに興じる子どもの姿を見ることに慣れてしまっていたので、子どもたちがからだをいっぱいに使って、はだしで歓声をあげたりしながら、自由にのびのびと遊んでいる姿は、とても印象深いものでした。

木製の遊具(1)木製の遊具(2)

子どもたちが縦横無尽に走りまわっているので、顔が映らないよう撮影するのに苦労しました。からだを使う遊びには、どうしても安全性という問題が付きまといますが、木製の遊具はとても優しく目に映り、さらに青々とした芝生との相乗効果で、安心感を与えてくれます。もちろん危険は皆無ではないですが、危なくないように自分で工夫をするのも遊びから学べることの一つです。(もちろんスタッフがそれとなく目配りしていましたが。)

そして、何よりも、木の持つ温度、手触り、風合い、そういった一つひとつを五感で感じることこそが、環境教育なのではないかと感じました。

次の写真は、カエル型の積み木です。カエルが手足を広げた形になっており、頭やうでや足など、好きなところで積み上げることができます。いったいどこまで積めるのでしょうか。おともだちと高さを競争しても良いし、おもしろい積み方を工夫しても楽しそうです。カエルくんの表情もユーモラスで、とてもかわいいおもちゃです。

木製の遊具(3)

子どもがいない隙を狙ってこっそり遊んでみました。

ワークショップでは、実際に作る楽しみを経験できます。「木」と言えばやはり工作は、はずせません。上手にできても、できなくても、自分で作ったものは、やはり格別です。

工作

お茶を楽しみながら工作もできるのでしょうか。

椅子
わたしは、杉のPRをしている「適材・適所」さんで椅子を作りました。
すでにカットされたパーツをドリルでくっつけてヤスリで面取りするだけでも結構楽しいものです。

遊んで、作って楽しんだあとは、おみやげを、ということで東京おもちゃ美術館のテントでは、ぬくもりのある安全で安心な木のおもちゃも販売されていました。これは、わたしのおみやげです。100グラム100円の端材です。端材と言っても、きちんとやすりがかけられ、角も丸められているので、十分にきれいなものです。

おみやげ

何を作ろうか、何にしようか、わくわくしませんか?
積み木、アクセサリーや鍋敷き、表札やハンコ、削ったり色を塗ったり。規格品とは異なり、自由に想像力を膨らませることができます。想像力を駆使することは、本来、人間にとって格別な楽しみだと思います。

子どものおもちゃに詳しいわけではないですが、最近のおもちゃやゲームは、ルールや遊び方がすべてきっちりと決められたものがとても多いような気がします。電子ゲームなどは、その代表でしょう。

それに対して、端材の積み木も、ジャングルジムやミニクライミングも、最低限のものがあるだけのなかで、どうしたら楽しいかは、子どもが自分自身で考えることができます。どうやったら怪我をせずに楽しめるのか、どういうルールにしたらわくわくするのか、ともだちと一緒のときはどうやって譲りあうのか、一つひとつ経験を積み重ねていくことができます。

自由でのびのびとした感性を育てることは、3Rにもつながるように思います。
目の前に必要とするものがないときに、では買ってこようとなるのか、工夫してみようとなるのか、料理を作るにしても作りたいメニューの素材がないから買ってこようとなるのか、ではこちらを使ったらどうだろうかとなるのか。さらに、代用品を使うことを不便と感じてしまうのか、新しい発見を楽しむことができるのかは、人それぞれの感性によるものです。

家庭のなかで、楽しみながら自然に3Rをこなせる感性を身に付けられたら、日々の暮らしが本当に生き生きしてくると思います。みなさまも、もし機会がありましたら、新宿御苑展は終了しましたが、四谷にある東京おもちゃ美術館をぜひ訪ねてみてください。大人だけでも楽しい場所です。まずは、とにかく遊んでみませんか?

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


<参考(いずれも2014.5.19現在に確認)>
◎ロハスデザイン大賞新宿御苑展ウェブサイト
http://www.lohasclub.jp/lda2014/shinjuku/

◎東京おもちゃ美術館
http://goodtoy.org/ttm/index.html

◎用語の説明(上記ウェブサイトより)
ロハス・・・健康と環境に配慮したライフスタイル(Lifestyles Of Health And Sustainability)の略称。人間と自然が共存するための、持続可能な社会を創造するモノや考え方、行動をロハスデザインという。

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