昔ながらの道具たち-経木(きょうぎ)-


『昔ながらの道具たち-経木(きょうぎ)-


山口茂子

 皆様、こんにちは。東京在住の山口茂子です。
 毎日寒い日が続きます。皆様お元気ですか?
 今回も引き続き昔ながらの道具のお話です。

 皆さんはおにぎりを作って包むとき何をお使いになりますか?私はこの間まで、食品用のラップフィルムかアルミホイルを使っていました。便利ですよね。手軽に使えてきっちり包むことができます。半分だけ使った野菜や果物、食べ残しのおかずを容器のまま冷蔵庫にしまうときも、ぴっちり蓋をすることができます。値段もそれほど高価でなく、手軽に買えるキッチンにはなくてはならない、一家に1つは常備されている包装材です。もちろん私の家にも、会社にもあります。

 先日、ラップと同じく包むもので、少し素敵な日本の伝統的な包装材を見つけました。
「経木(きょうぎ)」です。
 近所の美味しい自然食のお店で、お菓子を持ち帰りにしてもらったときに経木は登場しました。丁寧に作られた焼き菓子に経木はぴったりで、ラップよりは包むのに手間はかかっていましたが、薄い木の皮に包まれた姿は見た目も美しくて、お菓子が格段に美味しくも感じられました。

 自宅に帰って、もちろん検索しました。そしてもちろん注文しました。ネット通販、便利な時代です。
高価な商品かと思いきやそうでもなく、数百円で100枚単位の経木を買うことができます。さらに、木材の端っこの少し不揃いなものはさらにお買い得だったりもします。
 縦に割けやすいところが少しばかり扱いにくくはありますが、小さく割けてしまったものは、お弁当の仕切りにしたり、しゅうまいなどを蒸すときに蒸し器に敷いて使ったりと、なかなか活躍してくれそうです。
 おにぎりを包めば水分調整もきいて、殺菌効果もあるそうです。防腐剤などがないときでも、昔の人はこういった工夫をしていたのですね。
 そういえばうっすらとした記憶のなかで、子どもの頃、経木に包まれたお肉を見たことがあるような気もします。水分の出やすいお肉やお魚を包むのには、水や油を吸ってくれる経木はとても具合がよさそうです。
 さらに天然木でできているので、香りも良く、使用後は土にかえると、いいことずくめです。

 ただ、一つだけ残念なのは、土にかえる経木でも燃やすごみに出さなくてはならないところでしょうか。都会住まいで山の土がない以上は仕方ないかもしれません。木材の堆肥化を行っている自治体もまだまだ少なく、その手法や仕組みなども、まだまだ試行錯誤段階のようでもありますが、天然素材とプラスチックなどの素材をバランス良く使っていくことは、長い目で見て、環境にもとても良い暮らし方のように思います。

これを読んで少しでも興味を感じていただたい方は、ぜひ検索して経木を探して使ってみてください。おすすめです! 

           経木

 お弁当といえば、こちらが定番です。結びひもは経木を縦に割いたものを活用。

 中身はこれ!
       中身はこれ

 忙しい朝などにはもちろんラップ類も便利ですが、経木も現在のキッチンで大活躍しそうです。

       お花見

 お弁当ができればお花見です。近所の自由が丘緑道は桜が満開です。
       お弁当

 油っぽい炒めものも水っぽいサラダも経木を1枚敷くだけでちょうど良い加減を保ってくれます。ついでにプラスチック容器も汚れにくい。
 
 今回も拙い文章を最後までお読みいただいて有難うございました。

 


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