豊かな食卓


『豊かな食卓』


山口 茂子

皆様、こんにちは。
東京在住の山口茂子です。

節電に限らず、十分にものや資源で満たされていなくても、豊かで楽しめる生活、我慢突然ですが、みなさんは「食べる」ことは好きですか?
私は、食事をすることがとても好きです。毎日のごく普通のごはん。特別に外でいただく食事。大勢でワイワイ楽しむときのごちそう。どれも同じようにわくわくします。

どのような食べ物が好きなのか、どのような食べ方が好きなのかというのは、千差万別だと思いますが、私はやはり、ファストフードやチェーン店の食事より、シンプルでも丁寧に調理された食事が好きです。
今回は、わたしにとっての「豊かな食卓」について書いてみました。

私のうちには定期的に畑から直送で旬の作物が届きます。届いた野菜やお米を並べて、何を作るか、どうやって調理したり盛り付けたりしたら、より食卓が楽しくなるのか考えるのは本当に楽しい時間です。
ときには、農家さんの直筆の手紙でレシピの紹介があったり、畑のお便りがつづられていたりすることもあります。どれも農薬などを使わずに、極力自然に近いかたちで育った作物です。いつも、無駄にしないように、美味しくいただきたいと思いながら、新聞紙にくるんだり、保存パックにいれて、大切に冷蔵庫に収納します。

今はインターネットで瞬時に何でも調べられる良い時代です。下ごしらえで一工夫できないか、簡単にできて、見た目もきれいな食べ方はないか、いつもと違う食べ方はできないか、その都度、検索をしてみたり、お店でいただいたレシピを似せてみたりと楽しんでいますが、日々新しい発見があります。
たとえばですが・・・
○野菜の皮もりっぱな1品になる
○大根や白菜は干しても美味しい
○みかんの皮もりっぱな素材
○野菜の煮汁も出汁(スープストック)になる
○野菜は切り方で味も変わる
文字にすると、あまり美味しそうに見えないかもしれませんが、これが実はとても豊かな食卓を演出してくれます。
そのうえ、家庭からのごみの削減にも一役買っています。

ここで、クイズです。
1.これは何でしょうか? 2.そしてこのあと何になるのでしょうか?

乾燥したダイコン


1番の答えは、乾燥したダイコンです。
そして2番の正解はありません。乾燥したダイコンで何ができるでしょうか? クイズというよりは、題目のような感じですが、いろいろな見方であらゆる可能性を考えてみるというのが目的です。
1 乾燥してしまって食べられないから、捨てる⇒ごみ処理場で燃やされ、灰になって埋立処分場へ・・・。
2 住んでいる地区の生ごみ回収に出す⇒堆肥になって畑に還る。
3 わざわざ乾燥させて作る切干ダイコンがあるくらいだから何か料理に使えるはず
夜ご飯のおかずになる
4 おもしろいからそのまま乾燥するにまかせて飾っておく⇒部屋のインテリアになる
5 我が家のベランダで堆肥にする⇒家庭菜園で肥料として使う
いろいろな考え方がありそうです。
ちなみにうちでは、こうなりました。

ダイコンの醤油漬け

ダイコンの醤油漬けです。ごはんのお供にピッタリです。沢庵のような風味ですが、添加物を使わない自然な味わいです。

私以外の人が見たら、ほかにも違う考え方がたくさんあるかもしれません。
私は、食べることができるものは、基本的には食べるという消費の仕方をしたいと思っているので、食品として調理するという道を選びました。つまり私の答えは③です。

次に、これは、ダイコンの煮汁です。これは何になるでしょうか?

ダイコンの煮汁

 

ダイコンの出汁の味噌汁

私の答えは、出汁になって、味噌汁です。写真の上は、ちょうどよく漬かったダイコンです。
素材を余すところなく、ていねいに美味しく調理をしていただくのが、私にとっての「豊かな食卓」です。
誤解しないでいただきたいのが、ダイコンの葉っぱや煮汁を食べていても、我慢する食卓ではないのです。決して無理をして、それほど美味しくないものを、環境にいいから、エコだからという理由で、無理をしているわけではありません。
美味しくて、美しくて、楽しいごはんです。
もしも世田谷に来られることがありましたら、ぜひうちのごはんを食べに寄られてください。大根の葉っぱで最高のおもてなしをしたいと思います。そう言い切れるごはんです。
読んでいただいた3R・低炭素社会検定の皆さんも、一緒にそれぞれの豊かな食卓を作って、食べる楽しさを分かち合いたいなと思います。


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