冬の醍醐味、お風呂を楽しむ


『冬の醍醐味、お風呂を楽しむ』


山口 茂子

皆様、こんにちは。
東京在住の山口茂子です。

関東は少しずつ本格的な冬に向かっています。異常気象などと言われ始めてから、夏が終わり、秋になっても薄着で過ごす期間が長くなったような気はしますが、それでも徐々に朝と夕は寒さが身に染みるようになり、紅葉もみられ、通勤する人たちも暖かいコートを身につけるようになってきました。

冬の寒さはつらくもありますが、寒いからこその楽しみもあります。鍋料理や焼き芋などの温かい料理を楽しむ、こたつで読書やビデオを楽しむ、「こたつでみかん」はすでに常套句になっています。それからアウトドア派にはスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツ。豪雪地帯にはカマクラ遊びなど、昔から伝わる雪遊びもあります。

今回取り上げたいのは「お風呂」です。
多くの日本の家庭では、季節ごとに工夫を凝らした入浴を楽しんでいるのではないかと思いますが、冬、からだが冷え切っているときに入るお風呂は本当に気持ちの良いものです。春の菖蒲湯、夏の薄荷湯、秋の生姜湯といろいろな工夫はありますが、冬のゆず湯はゆず独特の豊かな香りがいっぱいに広がり、格別に贅沢な感じがします。

シャワーで簡単に済ませるよりも湯船にしっかりつかって疲れをとるほうが良いとは、よく言われていますが、少し前は、朝シャンなどという造語が広まり、朝に夕にとこまめにシャワーを使ってからだや髪を常にきれいに保つのが流行った時代もありました。蛇口をひねるだけで、温かく清潔な水やお湯を好きなだけ使うことができる日本ならではと言えるかもしれません。

かつての水も電気もガスも好き放題使っていた「朝シャン」の時代から、「もったいない」や「エコ」の時代に変化をとげた今では、お湯が冷めないうちに家族が次々に入浴をする、入浴後のお湯を洗濯に活用する、電気代の安い夜間に沸かしたお湯を昼間使う、シャワーの時間を減らすなど、一人ひとりができることから、企業努力によるものまで、さまざまな環境にやさしい工夫もみられるようになりました。

とは言え、そこはせっかくのリラックスタイムです。節約ばかりでなく、1日の終わりに贅沢な入浴タイムはいかがでしょうか。
お奨めをいくつか紹介します。

まずは、先ほどから名前が挙がっているゆず、そしてミカンの皮。どちらも台所によくあるものです。ゆずを丸ごと1個買ってきて、全部使い切らなかったという経験ありませんか。またワックスのかかっていない、無農薬ミカンなどが手に入ったとき。捨ててしまうのももったいないというときは湯船にゴー!です。

次にお風呂と言えばヒノキが思い浮かびます。ヒノキの香りを抽出した入浴剤はドラッグストアなどでしばしば見かけることがありますが、「エコ」で環境にやさしく、からだにもやさしい間伐材を用いたヒノキチップはおすすめです。チップとは言え、ヒノキづくりの浴槽に負けないくらいしっかりとした天然の香りに癒されます。

もう一つキッチンにあるもので手軽にできるのが「塩」の入浴剤です。発汗作用があるそうですが、質の良い天然塩が、効果も高そうです。ラベンダーなどのハーブを育てている人は、あわせて使用すると市販のものよりも手軽にゴージャス感が味わえます。(入れたままで長時間放置すると風呂釜が傷むこともあるようなので気を付けてくださいね)
同じくキッチンでお馴染みのエコな製品に「重曹」があります。これも入浴剤になります。ゆずなどと一緒に用いることもでき、残り湯は洗濯に使うと洗浄力が高まるそうです。
(※どれも直接肌に触れるものなので、適量や成分などを十分に調べてから、個人の責任でお試しください)

こうしてみると、入浴剤を買ってこなくても、自然界にもともとあるもので、いろいろ楽しむことができます。
湯船にゆずやミカンの皮、菖蒲などを入れるという入浴法は、もともとは「薬湯」として、お風呂に入りながら、皮膚病や怪我を治すという考えからきているようです。冬の定番であるゆずなどは、血行をよくする働きがあると言われています。まさしく冬にぴったりですね。心地よい香りも心身のケアに一役買っているように思います。

最近では、植物の持つ香りや成分の働きにより健康を増進するアロマテラピーも入浴に取り入れられています。植物から抽出した天然のオイルは、自然の香りそのままで、心地よさを感じます。
我が家でも、重曹やアロマオイル、ミカンの皮は定番で、多忙な日が続いたあとなどは、必ず良い香りで浴室を満たしてからお風呂を楽しみます。
寒い日は、寝る直前に体を温めてから、すぐに布団に直行することで、寒い思いをすることもなくぐっすりと眠れます。つい寒いからと暖房をつけることもないので、もちろん倹約にもエコにもつながります。もし、早い時間にお風呂を済ませてしまったときは、寝る前に洗面器で足湯をするとよいそうです。

口に入れるものでも、季節ごとにあったものが自然の摂理にかなっているようです。肌にふれるもの、目にするもの、香りなども同じだと、原稿を書きながら感じました。
この冬は、五感を使って楽しみながら、心身を癒して、健康で元気に暮らそうと思っているところです。

今回も、最後までご覧いただきありがとうございました。


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